半年

3週間ぶりに休んで(休みになってないが)、ようやく年末年始という感じがしてきました。と父に言ったら、父も私と同じくらいに独立企業した身で、「起業するなら最初の1年は休めると思うな」と喝を入れられました(笑)。でもせっかく地方に来たので、のんびりペースでやります。

さて、今日でこの伊根町で勤務し始めて半年になります。

引っ越しや新しい仕事に慣れたり、家を改装したりキッチンカーを始めたりで、あっという間に半年経ってしまいました。もっと色々できたはずだけど、正直これくらいが自分の限界なのかと。

様々な人に助けてもらい、幸運にも助けられ、事業は少しづつ形になってきました。

ある人に、「で、ゴールは何なの?」と聞かれて、少し答えに窮してしまいました。

昔の自分は、大きくてはっきりして、人に語れるゴールがありました。

10年くらい追いかけて、でもそれが自分の人生の全てを費やすほどのものに思えなくなって、ここに来ました。

でも最近気づいたことがあって、自分が本当に欲しいものはそんなに大層なものじゃなくて、でも買う事のできない特別なもので、本当に野暮なもので自分は幸せになれるのだと。そしてそんなことで自分は、誰よりも頑張れると分かりました。

だから、人に語れるような大きなゴールは、今はいらない。つまるところ自分は小さな人間で、それを知れた事が、ここに来て得た一番の財産だったかもしれません。

目的は何だろうとやるべき事は一つです。まず生計を立てなくては始まりません。基盤はとった、営業先も目処がついた、これから1年はそれをコンテンツ化して、生産性を高め、広告して提供し、収益化する。それに全力で取り組みたいと思います。

色々動き始めた同僚に負けないように、励ませるくらいに。

前職でも自分は、みんなと和気あいあいとゆっくり進めるタイプではなくて、突っ走って色々失敗しながら皆がついてきてくれて、助言を取り入れながら右往左往して、振り返ったら信じられない成果を上げていた、というスタイルでした。そしてその頑張るモチベーションは、意外と野暮なものでした。

ある歴史家も、「歴史上の愚行とされるほとんどの事は、善意によって始められた。逆に皮肉なことに、偉業とされるものの多くは、悪意やエゴイズムによって為されてきたのではないか」と言ってますし。飛行機もロケットもそんなもので、別に目的や動機は大層なものじゃなくて良いのでしょう。

というわけで、今年も一年よろしくお願いします!

クリスマス営業終了

クリスマスキッチンカーin野室

キッチンカーのクリスマス営業が終わりました。

買いにきてくださった方、色々意見をくださった方、本当にありがとうございました!

3日間の営業でしたが、基本は伊根浦公園で、最後は野室で売らせて頂きました。

今回新メニューとしてガレット・デロワ、へしこのキッシュ、スパイシーチキン、シュガーバター、伊根満開の酒饅頭の5個を開発しましたが、全品完売いたしました。

どれも製造工程の簡略化や味の調整など、改善点がたくさんあります。次に出すときは、さらに安く、さらに美味しく、きれいに出せたらと思います。

今回、どうして出店したかというと、とりあえず定期的に店を出すことで自分自身のレベルを上げるという事と、住民の方々に慣れ親しんでいただくという事、そして何より、伊根でクリスマスらしいことをしたいと思ったからでした。

正直言うと、自分はあまりクリスマスは好きではありません。

大学の頃とかは普通に特別な所を予約したり、プレゼントをサプライズしたり、それなりに乗っていました。でも社会人になって色々な経験を積んで、世間で当たり前に思われているものの多くが商業主義や社会通念にのせられているもので、時にそれがかえって人を不幸にしたり、大切なもののための資源を奪っているところを目にして、クリスマスのようなイベントを素直に楽しめなくなっていました。

でも、自分が楽しめなくても、皆が楽しめるなら、いいじゃないかと思いました。

伊根を出て街でクリスマスを楽しむ人もいい。でも自分は、伊根でクリスマスを作る側に回りたい、そう思って今回の営業を思いつきました。

まだ不慣れで商品としては全く不完全ですが、それでもサプライズは与えられたと思います。少しでも「美味しかった」「オシャレだった」と喜んでくれる人がいて、こちらも楽しい気持ちになりました。久しぶりに、クリスマスを楽しめた気がします。

自分は幸せを受け取る側でなくて、幸せを創り出す側が性に合っているのだと改めて思いました。

改めて、公園を提供してくださった事務局長、出店を認めて頂いた地域の方々、味や広告について正直な意見を下さった同僚や友人たち、そしてたくさん買っていただいたお客様に誠に感謝いたしまして、締めとさせて頂きます。

次回は年末年始・・・

「ここにずっと残ってくれるよね?」

都会で仕事を辞めてから、はや4か月になります。

「ここにずっと残ってくれるよね?」

最近いろんな人から聞かれます。

そのたびに私は色んな答えをしていますが、共通しているのは、

「この土地は好きだし、地域のために貢献したいと思う。でも、それは自分にとっての一番じゃない。この土地に残るか、自分の一番大切なものを守るかの二者択一を迫られた時、私は玉砕は選ばない。」

ということです。

背水の陣とか、色々な人との兼ね合いや関係があるから、と多くの人は色々なものに拘ります。

恋愛でも、住居でも、ビジネスでも。時に企業の存続に関わるような不採算案件(東電とか東芝とか)や国の戦争意思決定すらも、そこから自由ではありません。

でもそこで、自分の一番大切なものを見極めて、切るものは切り、守るものは守る決定ができた人が、組織が、生き残っていくものと思います。

確かに、人にも組織にも決して譲れない一線はあり、全てをかけて死守するものはあります。いや、あらねばなりません。

でもそれは本当の本当に最後の一線で、そう簡単に引いていいものではありません。

そして伊根で生きるということは、残念ながら(当然ながら)私が大切なもの全てを捨てて、死んでも守り切る一戦ではありません。

むしろ「ここに骨を埋める覚悟です」と簡単に言われても、実際まがりなりにもそうした経験をしてきた私としては、様式美ならともかく真に受けることはできません。

 

何かまるで伊根から出たいようなことを言っていますが、別にそういうわけではありません。

この土地の美しさ、人柄、文化(まだまだ知らないけど)は大好きです。行政や、企業や団体で本当に努力されている方もいて、微力ながら支えたいとも思います。私はひねくれものなのでさんざんディスったりしてますが、なんだかんだ伊根全体のことを考えているつもりな時もあります(笑)。

 

ようは、同じような移住する人、帰ってきた人に、変なプレッシャーを感じてほしくないのです。

地域の方の残ってほしいという思いは至極まっとうで、むしろ大変ありがたいものです。でもそれをプレッシャーに感じて、せっかく来たのに地方が辛いものになってしまってはもったいないと思います。田舎は辛いものを耐える所ではなく、楽しむ所であるべきです。

だから地方の人にも、分かってほしいです。

人間は、出ていく事ができない場所よりも、成長して送り出してくれるところに集まる。そしてむしろ後者に愛着を感じ、残るという事を。

例えばあなたが海外に移住するとして、入ったら二度と出国できない統制国家と、行ったらキャリアアップしてまた自由に旅立てる自由国家と、どちらに行きたいですか?

実家に帰るとき、「家業をつぎなさい。ここにいて私たちの面倒をみなさい」という実家と、「好きなだけいて、好きな所にいっていいよ」といってくれる実家、どちらに愛着をもちますか?

 

人に来てほしい、人に残ってほしいなら、むしろ「出て行ってもいいよ。応援するから」と言ってあげる、それが親にも恋人にも地方にも大切なことだと思います。

 

ジョジョ第1部でジョナサンの父が「逆に考えるんだ。あげちゃってもいいさ、と」って言ってるように(笑)